2017年から開催され、別府の新たな風物詩となりつつある「フラフェスティバルin別府」。残念ながらコロナ禍で2020年と2021年でのリアルな開催は見送られましたが、実行委員会メンバーは早くも来年の開催に向けて準備を進めているようです。今回の「あの人に聞きたい」は、同イベントの実行委員として参加され、自身も演者として舞台に立たれたハワイアンシンガーのKUMIKOさん。仲間とともに同イベントのイメージソング『いのちのおゆ』を作成したKUMIKOさんに、ご自身のキャリアや歌に込めた想いなどを伺いました。
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ハワイアンに宿る「癒やしの力」を人一倍信じていた
──現在は別府を拠点に活動をされていると聞きました。
KUMIKO もともとは看護師として働いていたので、最初はあくまでも趣味として、両親とハワイアンバンドを組んだり、知人にウクレレを教えたりする程度だったんです。でも、一度しかない人生だし、何かにチャレンジしたいという気持ちはずっと持っていて…。そこで、仕事と趣味の両立が厳しくなってきた頃に看護師を辞め、本格的にハワイアンシンガーの道を歩み始めました。2017年にはハワイアン教室「UKULELE PROJECT」を立ち上げ、子どもたちにはフラダンスを、大人にはウクレレを指導しています

──どうしてハワイアンに魅了されたのですか?
KUMIKO 実は、私がハワイアンに魅了されたきっかけは「病気」なんです。十数年前の話になるんですが、メンタルを崩して別府の実家に戻ってきていた頃に、父が「高木ブー」という文字が大きく入ったウクレレを買ってきましてね(笑)。ザ・ドリフターズのメンバーだった高木さんが、ウクレレ奏者として話題を集めていた時です。その時に奏でてもらった音色にとても心が癒やされたんです。もともと母がピアノ教室の先生をしていたこともあって、音楽は大好きでしたから、どんどんハマっていって。以来、家族と一緒にウクレレを弾いたり歌ったりしているうちに、徐々に体調も回復していきました。

──ご家族の存在が原点にあったんですね。
KUMIKO 次男を出産した後には、体を動かしたいと思ってフラダンス教室にも通い始めました。何でフラダンスだったのかといえば、特に「ウクレレをしているから」というわけではなく、純粋に興味があったから。でも、フラダンス教室の先生は「この踊りを習っている人は無意識のうちに癒やしを求めている」とおっしゃっていて、確かにそうだなと思ったことを覚えています。ウクレレもフラダンスも、どちらもハワイ近海の波を感じさせる独特なリズムや動きが特徴で、深い癒やしの効果があります。私自身、そこに無意識に惹かれていたからこそフラダンスを選んだんでしょうね。さらに言えば、長年メンタルが不調だったからこそ、ハワイアンに宿る「癒やしの力」を人一倍信じていたんだと思います。

──ハワイアン教室を始められたのも、癒やしの力を多くの人に感じてほしいという考えがあってのことなんでしょうか。
KUMIKO そうですね。起業する前に実際にハワイへ行ったんですが、そこでは街中のいたるところから音楽が聞こえてきて、ただ1日を過ごしているだけで身も心も軽くなったんです。日本とハワイとは文化が違うので、同じように街中で音楽を流すわけにはいかないでしょう。でも、この数分の一かでも、別府にハワイを持ってきたいと思いました。
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フラフェスティバルを通じて学んだアロハの精神
──「フラフェスティバルin別府」に参加された経緯も聞かせてください。
KUMIKO 起業する1年ほど前、2016年のことです。私の活動を応援してくださっているフラダンス教室が別府市内にありまして、その教室を主宰している方から、みらいしんきんフラ部「みらガール」の代表で、フラフェスティバル実行委員長を務める吉野可奈子さんを紹介していただきました。ちょうどその頃は、1年後のフラフェス初開催に向けて実行委員の皆さんが手探りで準備を進めていた時期。いろんな分野の方を実行委員として募っており、その1人としてお声がけいただいた形です。大分県にはフラダンス教室こそたくさんありますが、ハワイアンを演奏できる人間がほとんどいなかったので、その部分で微力ながら「戦力」になれればと思い参加させていただくことになりました。

──実行委員として参加されて、いかがでしたか?
KUMIKO 「大変」の一言でした(苦笑)。私は裏方と演者の両方で参加させていただいたんですが、同時に2つのことができない性格なので非常に混乱してしまって……。それもあって3年目からは裏方を退き、演者だけに絞らせていただいたんですが、1・2年目の経験は本当にいい勉強になりました。何よりも裏方の大変さが理解できたことは大きな気づきになりました。演者として出演するだけだと「ステージに立ってあげる」という、どこか上から目線になる方って多いんですけど、裏方の努力の積み重ねでイベントが成り立っていることを知れば、むしろ演奏させてもらえるステージがあることに感謝の心を抱けるようになります。この感謝の心ってすごく大切で、ハワイの「アロハの精神」にも通じるものだと思いました。

──ハワイの「アロハの精神」とは?
KUMIKO ハワイといえば「アロハ(ALOHA)」ですが、これって単なる挨拶じゃなくて、文字の一つ一つにいろんな意味が含まれているんです。「A」は思いやり、「L」は協調、「O」は礼儀、「H」は謙虚、「A」は忍耐──。ハワイアンをやるからには、この「アロハの精神」を体現する必要がありますし、そういった意味でも、実行委員の一員として裏方の皆さんの苦労を体験できたことは本当によかったと思っています。

──アロハという言葉には、そのような意味があったんですね!
KUMIKO フラダンスを教えている子どもたちにも「ステージの上に立つ時は“踊らせてもらっている”という気持ちを大切にしなさい」と伝えています。子どもは素直ですから、イベント当日はしっかりとその姿勢で臨んでくれて。そんな子どもたちの姿を見ていると私も元気になりますし、もっと頑張ろうという気持ちをもらえるんです。

第18回 KUMIKOさん/UKULELE PROJECT代表(上人支部会員)#2 へ続く
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profile

KUMIKO/本名 馬塲久美子(ばば・くみこ)/ハワイアンシンガー/UKULELE PROJECT代表/別府市出身。国立別府病院附属大分中央看護学校(現・別府医療センター附属大分中央看護学校)を卒業後、福岡県で看護師として働く。2年後に帰郷し、家業を手伝う日々を過ごす中でウクレレと出会う。その後、看護師に復帰して別府市内の障がい者施設に勤務する傍ら、趣味としてウクレレの指導を続け、自身もフラダンスを習得。2016年、障がい者施設を退職。2017年に起業し、ハワイアン教室「UKULELE PROJECT」をオープン。音楽デュオ「KUMIKO&KAI」のメンバーとしても精力的に活動している。
■UKULELE PROJECT
大分県別府市荘園6-2
※地図
不定休(HPのスケジュールをご覧ください)
URL https://alohaspirits.net/

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