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「あの人に聞きたい 第13回 河野 正和さん/株式会社フォークローバーズ 代表取締役社長(石垣支部会員)#1」からの続き

■対面販売で知名度を高める
──そんな経緯があったんですね。しかし、当初は月の販売数が10個ほどだった、と。
河野 まったく売れませんでした。みらいしんきんさんにご支援いただいてインターネット販売ができる環境を整えたはいいものの、誰もホームページにアクセスしないんですよね。当時はスマホが出回り始めた頃で、SNSも今ほど普及していなかったので、知名度を高める手段がまったく思い浮かばなかったんです。

──アパレルバイヤーの経験は通用しなかったんですか?
河野 バイヤーは、誰もが知っている有名なブランドの商品を売る仕事です。つまり、すでに「1」がある状態で、それを「10」にする仕事だと言えます。先人の皆さんが築いた売るためのセオリーもあって、自分はそのセオリーに従うだけでいい。ですが、世の中の誰も知らない商品を、セオリーがない状態で売る、つまり「0」を「1」にするのはまったく違うということを思い知らされました。インターネットに掲載すれば勝手に売れると思っていたんですが、私の考えが甘かった。この一言に尽きますね。

──では、どのように知名度を高めていったんですか?
河野 対面販売しかないと思って、最初は別府駅から始めました。ワゴンを1日5,000円でレンタルして、コンコースで実演するんです。そういった地道な活動を続けていくうちにバイヤーさんの目に留まり、別府湾サービスエリアやアミュプラザおおいたの東急ハンズなどに置かせていただけることになりました。東急ハンズは全国展開をしているので、大分の次は熊本、博多、梅田と広がっていって、それから伊勢丹や三越といった大手百貨店の催事にも呼んでいただけるようになったんです。今では、新規顧客の獲得は対面販売、リピーターへの販売はインターネット、と棲み分けています。

──「ゆらい-yurai-」独自の販売方法を確立されたんですね。
河野 対面販売のメリットは、お客様と直にコミュニケーションができる点です。商品に込めた想いを誤解なく伝えられますし、化粧品という肌に直接触れるものだからこそ、実演を通じて安心・安全を提供できます。しかし、私一人では限界がありますし、拡販を考えていく上では、直にコミュニケーションができないインターネット販売でも「対面販売と同様の安心・安全を提供できる方法」を確立しなければなりません。そのために今回、みらいしんきんさんにご協力いただいて経営革新支援制度を取得し、その上で、補助金を申請して第三者機関から薬機法(旧、薬事法)に基づく承認を得るための資金にしたいと考えました。それによって、商品を「化粧品」ではなく、より信頼性の高い「医薬部外品」として販売できるようにするんです。

■経営革新支援を土台に、ブランドの成長を図る
──御社の経営革新について伺いたいと思います。医薬部外品としての販売とは、具体的にはどういったことなのでしょうか?
河野 化粧品や健康食品は、商品をPRする際に効能・効果などが誇大表現にならないよう薬機法に則る必要があります。例えば、「〇〇に効果がある」「◯◯を予防する」といった直接的な表現は避けなければならず、「ゆらい-yurai-」シリーズの場合であれば、実際に美白効果があるとしても、「シミ・ソバカスを予防する」という表現はできないわけです。しかし、第三者機関の検査や承認を経て、医薬部外品として販売できるようになると、そういった表現ができる可能性が高まります。また、お客様にとっても、第三者機関がお墨付きを与えているという点で安心に感じますよね。

──なるほど。そうなればインターネット上での表現の幅も広がそうですね。
河野 そうですね。2020年3月に大分県から経営革新支援を取得できたことで補助金の申請もスムーズに進み、現在は商品の検査・承認をしていただける第三者機関の選定を行っている段階です。県に提出する計画書作成などをサポートしてくださったみらいしんきんさんには本当に感謝しています。また、タイミングも非常によかった。今は時世的に対面販売が難しくなっているので、よりインターネット販売に比重を置く必要があるでしょう。コロナ禍が始まってから準備をしていたのでは間に合わなくなる可能性もありましたから、この機を逃さず、ピンチをチャンスに変えていきたいと思っています。

──今後の目標についても教えてください。
河野 まずは、「ゆらい-yurai-」シリーズをより強いブランドに育て上げることが直近の目標です。医薬部外品としての承認はその第一歩で、これを機にブランディング方法の見直しを図り、他商品との差別化をさらに進めたいと考えています。また、「ゆらい-yurai-」シリーズは現在の5商品でラインナップが出揃ったので、コンセプトが異なる新しいブランドの立ち上げにも挑戦してみたいですね。柚子や温泉水と同じく大分県産の素材を使うことで、地域活性化という点でも地元に貢献し続けていければと思っています。

 

profile

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こうの・まさかず/株式会社フォークローバーズ 代表取締役社長
1975年、別府市に生まれる。別府大学附属高等学校を卒業後、有限会社シェイクハンズに入社。1997年に同社を退社後に上京し、株式会社ティンパンアレイに入社。アパレルのバイヤーやカフェの運営を経験後、2001年に帰郷。2003年に株式会社フォークローバーズを設立し、カフェ事業である「Four clover's CAFE」の運営をスタート。2011年、自社化粧品部門であるフォークロ化粧品を立ち上げ、大分県産の柚子と柴石温泉の温泉水を使用したスキンケアブランド「ゆらい-yurai-」シリーズの販売を開始。現在では5商品を展開している。
■「ゆらい-yurai-」シリーズ
https://fourclovers.jp/