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ロールケーキに込められた創業者の思い
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 昭和時代のケーキといえば、誕生日かクリスマスの特別な日の食べものでした。クリームを絞ったバラの花や、メレンゲ菓子の人形が添えられたデコレーションが定番で、まだバタークリームが主流。聞くところによると、当時は生クリームを全国流通できる冷蔵完備の輸送体制が整っておらず、地方のケーキ屋にも対応した冷蔵庫を持っている店が少なかったのだそうです。
有限会社ニュードラゴン洋菓子店の創業も、まさにその頃。大阪や福岡で修業を重ねてきた先代の笠木敏弘氏が昭和46年、別府市流川通りに同店(現在の流川店)をオープンさせたのでした。
「父親が別府でお世話になっていた店が廃業することになり、そのまま居抜きで譲り受けました。開業資金もあまり準備していなかったので、とりあえず看板は以前の店名『ドラゴン』の頭に『ニュー』を付けてスタート。いずれ新しく付け替えようと思っていたのですが『ニュードラゴン』の名前が定着してしまい、そのまま使うことにしたらしいです(笑)」
二代目オーナーとなる笠木隆弘代表取締役社長は、このように当時を振り返ります。
もともと笠木社長自身は大学卒業後、県内の企業に勤務していたのですが、父親の敏弘氏が体調を崩したことを機に事業を引き継ぐことを決心。関東の洋菓子店で2年半の修業を積んだ後、同店に戻ってからは兄弟子たちから“ニュードラゴンの味”を叩き込まれます。
「残念ながら父親と同じ厨房に立ち、直接教えてもらうことはなかったですね。店で作ったケーキを持ち帰り、試食してもらっていたのですが、子どもの頃から口にしていた味を覚えていたので『あの美味しさを再現したい』と、何度も細かく指導を受け、レシピにしていきました」
ニュードラゴンのケーキは、味も飾り付けも、いたってシンプル。素材の特徴と食感を大切にしながら、上品な味わいに仕上げています。
とりわけスポンジへのこだわりは、並大抵ではないといいます。その思いが、もっとも表れているのが、この店が発祥といわれているロールケーキです。
「もともとフランスで似たようなお菓子はあったそうです。でもスポンジが固すぎて日本人には合わないなと思った父が試行錯誤を繰り返し、粉と砂糖と卵のみで作った柔らかいスポンジに、当時は貴重だった生クリームを巻き込んで、今のロールケーキに仕上げたのです」
創業以来、変わらぬ味を守り続け、多くの人に愛されてきたロールケーキは、ニュードラゴンの原点なのです。
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profile

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有限会社
ニュードラゴン洋菓子店
代表取締役社長
笠木 隆弘 氏
(荘園支部会員)
[東荘園店]大分県別府市東荘園町3-4 ※地図 TEL 0977-24-6045
[流川店]大分県別府市中央町1-1 ※地図 TEL 0977-22-8540