
画像 : 「スマホに搭載されたマイナンバーカード」。なにも表示されていませんが、ここから「生体認証」によってマイナンバーカードに搭載された個人データを確認することができます。 医療機関の窓口にある「マイナンバーカードでの受診のすすめ」 「スマートフォンを使ったマイナ保険証の使い方」 ※厚生労働省
ネットを活用することで、私たちの生活はかなり「スマート」になったと実感しています。
私自身は早くからネットに親しんできたおかげで、新しいサービスやアプリが登場しても、それほど戸惑うことなく取捨選択ができ、自分に必要なアプリとそうでないものをしっかり切り分けられています。
そんな便利なアプリが次々と登場する一方で、必要不可欠なのに、どうしても使いこなしにくいサービスもあります。
その最たるものが、行政から利用を強く推奨される「マイナンバーカード」です。カード自体の取り扱いから関連アプリの操作まで、普通のスマホアプリと比べると、信じられないほど使いにくく、スマートとは程遠いのです。
2025年12月から、健康保険証が廃止されるため、マイナンバーカードに紐づけられたアプリやサービスをきちんと使いこなさなければなりません。しかし、普通のスマホユーザーからすると、これらはどうしてもわかりにくく、使い勝手が悪いのが現実です。
マイナンバーカードの健康保険証対応で一番困るのは、「自治体の窓口に5年ごとに足を運ばなければならなくなった」点です。
これまで健康保険証は、更新時期になると協会けんぽや組合健保なら勤務先から、国保なら自治体から郵送されてきました。それが今後、すべての健康保険加入者が5年ごとに自治体の窓口へ出向いて更新しなければならなくなります。
普段の生活で転居などの事情がない限り、自治体の窓口に行く機会はほとんどありません。それなのに、マイナンバーカードは電子証明書の更新が5年ごと、カード自体も10年ごとに窓口で更新が必要です。
そんなわけで、カード交付から10年目の私も、市役所からマイナンバーカードの更新準備完了の案内が届きました。
取りに行こうとしたところ、ここで一悶着が発生しました。案内書類にはマイナンバーカード以外に本人確認書類が必要と書かれていましたが、それがわかりにくかったので電話で問い合わせました。すると、更新手続きには2種類の本人確認書類が必須だと言われましたが、公式の説明サイトを見てもそうは読み取れず、押し問答になりました。
結局、必要な書類を揃えて市役所窓口へ行ってみると、本人確認書類はこれまでのマイナンバーカードと暗証番号だけで十分で、追加の証明書なしに新しいカードを受け取ることができました。
これはさすがにわかりにくいし、そもそも問い合わせの担当者が手続きの流れを十分に理解せずに応対しているのは問題だと感じ、クレームを入れました。
役所の窓口がこのレベルだと、万一マイナンバーカードを紛失したら、再交付に1カ月以上かかるそうですし、その際の本人確認書類も煩雑で、途方もなく面倒なことになりそうです。できればマイナンバーカードを持ち歩きたくないのですが、定期的に通う医療機関や薬局では持参せざるを得ないので、紛失しないよう細心の注意を払うことになります。
今年から、手元のiPhoneにマイナンバーカードの電子認証機能を移すことが可能になりましたが、肝心のスマホ対応リーダーはまだ普及途上で、私のかかりつけのクリニックや薬局には導入されていません。早くスマホ対応のマイナンバーのリーダー装置が普及して、カードを持ち歩かずにスマートに受診できるようになることを願ってます。
■参考
厚生労働省:スマートフォンのマイナ保険証対応医療機関・薬局検索ページ
※私が住んでいる大分市では11月末でまだ161件だけのようです。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63882.html
厚生労働省:マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html
