愛すべき地域への想いを託す 新しい大分観光スタイルの提案
challenge_kaisei_03 challenge_kaisei_005
開世通商株式会社という社名だけを聞いて、どういう会社かピンとくる方は少ないと思われますが、豊後大野市の『稲積水中鍾乳洞』の経営をしている会社といえば、おわかりの方も多いでしょう。

別府市青山町に本社を置く同社は、現・代表取締役社長の兼光世治氏が1982年に創業。城島高原(現・城島高原パーク)にゲーム機などを設置するアミューズメント事業を展開し、1990年からは収益物件の運用にも事業を拡大し、業績を伸ばしてきました。2012年には東京の大手不動産会社に勤務していた子息の兼光郷道氏が帰郷し、カイセイ・プロパティーズ株式会社を2013年に設立して不動産事業へ本格的に進出。2015年からは兼光郷道氏も同社の代表取締役副社長に就任し、代表2名体制でのぞんでいます。
「入社してすぐに保有不動産の収益増と収益の安定確保の経営体制づくりに努めてきました。社長は地域に対する愛情が深く、稲積水中鍾乳洞も大分県観光に資するならと、経営に乗り出した事業です」(兼光郷道代表取締役副社長)

ユネスコエコパークや日本ジオパークにも選定された祖母・傾・大崩山系を背にし、名水百選白山川源流に位置する稲積水中鍾乳洞は“日本最大の水中鍾乳洞”というキャッチフレーズが知られ、観光資源としてのポテンシャルの高さは確たるものです。鍾乳洞の他に開世美術館、昭和タイムトリップ館などの施設やいなづみ白山川キャンプ村も併設し、「名水白山川ホタル祭り」等のイベントにも積極的に参画。地域に住む人たちの利便性を考慮して久部簡易郵便局を開設する等、随所に同社の地域に対する姿勢が感じられます。そして今、さらに注目されているのが、国内初の水中洞スキューバダイビングです。
「インバウンド客が急増している今、海外で普及している水中鍾乳洞のダイビングを来年実現に向けて取り組んでいます。水中の美しい景観はダイバーからの評判もよく、既に大分県の観光体験サービスの開発支援事業にも採択されています」

お膝元の別府観光にも、余念がありません。2017年12月にオープンした『別府アートミュージアム』は、有名画家や芸能人による絵画コレクションなど約200点を展示し、アートを身近に感じてもらうための美術館です。
「別府温泉観光で、文化や芸術も感じていただきたいとの思いから開館しました。ダリやピカソから、北野武や尾崎豊など幅広い作品を展示しています。館内ではBGMを流したり、写真撮影可など敷居を低くしており、地元アーティストの作品展示にも積極的です」

2019年には大分県内に約9万坪の土地を有する敷地内で、年間発電量約232万kWhのメガソーラー事業にも着手する同社。事業意欲旺盛な次期経営者の手腕に期待が寄せられます。
challenge_kaisei_04

profile

開世通商 株式会社 (山の手支部会員)
代表取締役副社長  兼光 郷道 氏
別府市青山町8番5号 第2開世ビル2階
TEL.0977-25-1755
URL http://www.kaisei-gr.com