現場の経験を活かして開発に結びつけた独自製品

「地味な仕事ですが、誠心誠意で取り組んできたおかげで、現在の姿があります」

今日に至るまでの日々を振り返り、あらためて自社の足跡を確認しながら、丁寧に話してくれた株式会社三重野工業の三重野澄吉社長。同社は管工事、空調設備工事、ダクト工事設計施工を手掛ける、大分市片島に本社をもつ企業です。三重野社長は学校卒業後は神戸に就職したが、実兄が千葉で創業したダクト工事会社を手伝うようになり、現在の仕事の礎を修得しました。

「29歳で大分に戻ってきたのですが、2年ほど地元の同業者で学ばせていただいた後に独立。妻を含めて3人でスタートしたのですが、当初は取引先も少なく、宮崎や鹿児島まで営業に出かけて受注してきた下請け仕事でつなぎながら、少しずつ業務範囲を広げていきました」

幾多の苦労を重ねるうちに、同社の誠実な仕事ぶりと卓抜した技術が業界で高く評価されるようになり、取引先も順次拡大、営業エリアも九州管内をカバーできるまでに至りました。現在は20名の従業員数を抱えるまでになりましたが、従業員の定着率が高いことも特筆に値します。これは社長自らが工場でコツコツと作業に取り組む後ろ姿を見てきた社員たちと共につくりあげた企業風土といえるでしょう。

ところで同社では、数多くの業務に取り組んでいくうちに、創意工夫を凝らした独自の製品も考案してきています。これらは現場を熟知している社長自らが、業務の効率化とコストダウン、そして社員が安全に業務が進められることを考えながら、開発したものだそうです。

「ところが実用新案を取得していなくてね(苦笑)。知人からのアドバイスを受けながら、今年7月に初めて実用新案登録を出願したのが、この製品なんですよ」

こう言いながら差し出してくれた製品が、写真の『共吊専用金具』です。これはダクト改修工事に際し、安定感を保つためのアンカーが打てない箇所に、既存の吊りボルトを利用して、共用して吊り下げることを可能にしたアイデア製品。同社ならではの“ギザ加工”が生み出した産物で、これを使用することにより高価な金具を使わなくてもハンガーアングルを簡単に渡せ、取り付け時間の短縮、材料費の低減から、天井を安定する補強材としての役割を果たすようになりました。

「おかげさまで実用度が高いと評判もよく、近いうちにインターネットでの販売も計画しています」

昨年オープンしたJR九州・博多駅の現場でも活躍した同製品。まもなくはじまるJR大分駅ビル工事をはじめ、今後受注する様々な現場で重宝しそうです。

これを機に、新たな新製品の開発もしていきそうな勢いの三重野工業。今後の展開が楽しみです。

profile



株式会社
三重野工業

代表取締役
三重野 澄吉 氏
(滝尾支部会員)

大分市大字片島字上川田540番地の1
TEL.097-568-8743
FAX.097-568-8779