“技術力”と“人間力”の両輪で
大分のものづくり技術を世界へ

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トヨタ、日産、ダイハツといった国内自動車メーカーの生産拠点拡充により、150万台を超える生産能力を持つようになった九州地区。自動車関連産業の一大集積地として「カーアイランド」という呼称もすっかり定着した当地で、その一翼を担っているのが株式会社オモテです。
1976年に機械加工を得意とする鉄工所として創業した同社は、日産系の大手自動車部品メーカーからの受注を中心に製鉄、医療、プラスチック関連の取引先も拡大。1984年には田尻崎工業団地に本社工場を移転し、業況も順調だった矢先の1998年、創業者である表保文会長が病気を発症してしまいました。
「大学を卒業して、愛知県に本社があるパイプベンダーの生産設備メーカーに勤務して5年目のことでした。長男である私は帰郷して経営に携わるようになり、最初はとまどうことも多かったのですが、父を知る地元経済界の方々に支えられながら事業を継続することができました。父が寝たきりになり、社長に就任したのは36歳の時でした」
こう振り返る表雅之代表取締役社長は、会社員時代に三次元測定機の開発ならびに販売担当を務めていました。まだ2Dが主流だった当時、「これからは3Dの時代が到来する」と考えた表社長は、九州に子会社を持つトヨタ系部品メーカーの株式会社フタバから3D-CADソフトによる機械設計を打診されたことを機に、受注に踏みきります。
しかし、いざ本格稼働したものの、不慣れなためロスが多く、なかなか採算が取れる段階に達しません。無理な背伸びで経営判断を誤ったのでは、と悩んでいたある日、転機が訪れます。納期が間に合いそうになかった受注を、愛知のフタバ本社の協力会社が見かねてサポートしてくれたのですが、その鮮やかで完璧な仕事ぶりに感服。「愛知のものづくりの底力を見せつけられた」と一念発起した同社は、再度チャレンジを繰り返した結果、採算ラインに乗せられるまでの技術を磨き上げることができたのです。
九州でも数少ない3D関連の仕事を手がけるようになった同社は、その後、いち早く五面加工機の導入したことも大きな強みとなり、業績は劇的に向上。自動化・省力化機器の設計・製缶・加工組立・据付調整と制御まで一貫して行える製造工場として、その名を広く知られるようになりました。
「さらなる技術力の研鑽に努めるとともに、これからは全社的に“人間力”を上げていくことを目標に掲げています。そのためにも社員が能力を発揮できるよう、職場環境や福利厚生の充実、女性の積極登用などにも努めていきたい」
地方に本社を持ちながら、グローバルな意識でチャレンジする株式会社オモテの事業展開が期待されます。

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profile

株式会社
オモテ

代表取締役社長
表 雅之 氏
(今津・如水支部会員)
中津市大字田尻崎8-7

TEL.0979-32-2574
FAX.0979-32-2442

■オフィシャルサイト

http://www.omote55.co.jp