独自ブランド「HACOKURA」を通じて新たな市場の創出に挑戦
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別府市石垣東に本社工場を構える有限会社谷口紙業は、1960年に創業した包装資材の卸売業者です。主にお土産や贈答品に使用されるポリ袋や紙器等を取り扱っており、観光都市である別府・大分を陰ながら支えてきた存在です。同社の強みは、お客さまのニーズに合わせて多品種・小ロットの商品受注を可能にしている点。さらに別府市内で唯一、グラビア印刷機を保有する業者として知られており、高品質の商品提案力も評価を得ています。
谷口紙業が2021年7月から新規事業として立ち上げたのが、段ボール素材を活かした自社ブランド「HACOKURA(ハコクラ)」です。その第一弾としてリリースした猫が寛ぐための段ボール製ハウス「にゃんボール」(商標登録出願中)が、大きな注目を集めています。
「一枚一枚カットした強化段ボールを、食品用の糊を使って職人が手作業で貼り合わせた商品として仕上げています」
こう話すのは、自らプロダクトデザインを手がける同社の4代目社長の谷口隆史氏です。
「かつては“ものづくり大国・ニッポン”と言われ、その技術力は世界中から評価されていたのですが、最近は元気がないとも言われています。微力ながら日本にこだわった製品をつくりたいという思いから立ち上げたブランドです」
素材は可能な限り日本製にこだわり、日本の職人が作り上げるブランドに育てたいとのこと。その思いを託すかのようにデザインされたブランドロゴは、中央に日の丸をイメージする赤の“O”をアクセントに、“箱”と“クラフト”を組み合わせた造語「HACOKURA」と名付けたそうです。素材を段ボールにしたのは、同社に出入りしている段ボール会社の営業マンから「梱包品として使われたあとは廃棄されるだけなのが寂しい」といった言葉を聞き、リサイクル&リユース製品ができないものかと着想を開始。さらに飼っている猫が段ボールで爪とぎしている姿を見て、「にゃんボール」の完成に至ったそうです。
「商品のバリエーションも、ボールタイプからトンネルタイプ、リーフタイプ、椅子タイプといった具合に形状やサイズも多岐にわたるラインナップを揃え、インテリア雑貨としても通用するデザインに仕上げています。また、ブランド展開するうえでイラストレーターとキャラクターを考えたり、Webデザイナーとネットショップを開設したりと、クリエイターとの共同作業も勉強になりました」
ネットショップでは、限定オリジナルジャンボ風呂敷やカードプレゼントなど楽しい企画も実施しており、全国からオーダーが届いているようです。「各種展示会からデザインアワード等にも出品していきながらブランド力を強めていき、次のステップに進みたい」と話す谷口社長。業界に新風を吹き込む勢いです。
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profile

有限会社 谷口紙業(石垣支部会員)
代表取締役  谷口 隆史 氏
大分県大分市原新町15番36号
※地図
tel.0977-24-2830
ネットショップURL https://hacokura.com