●いつも一緒にいる感じ

「遠き別れに耐えかねてこの高殿に登るかな……」

この歌のような別れは今ではもう遠い感じになってしまいました。一昨年の春、娘が関東に引っ越しましたが、毎日Facebookで食卓の様子や仕事のことなど投稿してくれるので、遠くに離れて暮らしている感じがしません。また私のお客様にもfacebookの登録をお勧めし「友達」になっていただいていますが、投稿を通じて仕事の場面だけではない、その方の人柄や暮らし方に触れることができなぜかほっとします。

●もう昔には戻れない

私は2011年2月からFacebookを使い始めました。きっかけはFacebookが起爆剤と云われる北アフリカのジャスミン革命をTVの報道で知った事と、その前にアフリカのタンザニアへ旅行した時にポーターが何気にスマホをいじっているのを見てからです。電信柱も電気も満足にない国でも情報通信は中継基地さえあれば良い事、中国が通信基地建設に協力している事は帰ってから知りました。昭和40年代からコンピュータの世界で働いて来た私はITに関してはいつも最先端だと自負していましたが、このふたつのことを目の前にして、世界はずっと先を行っていると衝撃を受けました。

今やFacebookの人口普及率が50%を超える国はざらです。でも日本ではどういうわけか20%前後です。セキュリテーが脆弱とかスマホ依存の弊害とかいろいろと指摘されていますが、もうFacebookがなかった昔にもどることはないと思います。人々がこんな便利の良い刺激的な道具を手放すことはないと思います。

●二つの世界を手に入れる

いまやインターネット通販の市場規模は20兆円に到達する勢いです。まもなく全コンビニ、スパーの売上と肩を並べるでしょう。今週私はネットで本とドイツビールを注文しました。楽天市場には世界中のビールが買える店があります。玄関まで配達してもらえるのでストレスがありません。数年前に発行され、もう町の本屋に売っていないと思われる本をAmazonで見つけ出し注文しました。翌日には届きます。

このようにお買い物も、地面の上のお店とネット上のお店を往き来する暮らしが定着してしまいました。仕事中でも会議中でも知らない事柄があったらすぐネットで検索します。大抵の事は一応の回答を得ることができます。

さらに「I o T」=「モノのインターネット」も広がっています。インターネットを見ない事はこの世界の半分をみていないのと同じと思います。仕事の役に立つかなどはとりあえず後回しで良いので、まずこの二つの世界を行き来し上手にくらす習慣を手に入れましょう。

●つながって行く快感

Facebookの創始者は「インターネットは人と人をつなぐ機能・情熱だ」みたいなことを言っています。現在、Facebookでの私の友達数は450人超です。投稿が毎日40~50件程あります。随時それを読みながら「いいね」を押したり、コメントのやりとりをしたりしています。

このつながっていく快感はいったい何でしょうか。まだよくわかりませんが、この快感はこれからの人生の励ましになるような気がします。人はこれまで長い間孤立していたのかもしれません。けれどもまた、孤独の時間こそが人を成熟させますし遠く離れて相手を思いやる時間が深い友情や信頼を育てます。だから読書や散歩や独り酒場で吞む時間も大切にしています。

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雪野佐喜子 
(ゆきの・さきこ)

大分県臼杵市出身 中小企業診断士。『ビジネス支援チーム7福人』代表。金融機関、中小企業に勤務の後、社団法人大分県地域経済情報センター、財団法人大分県産業創造機構で中小企業支援業務に従事。平成23年4月独立。中小企業診断士事務所『ビジネス支援チーム7福人』を開業。創業、経営革新、IT活用、施策活用などのコンサル活動を行っている。一般社団法人大分県中小企業診断士協会 副会長趣味はテニス、登山、飲酒、最近は短歌も。