さて、今回みなさまにお伝えしたいライティングの基本ですが、私が実際に行なっているルーティンをご紹介しながら、その理由をお話していきます。
これらは、読みやすさを追求するだけでなく、文書書きのスピードアップと効率化のために必要なステップです。やり直しやすさ・書きやすさを感じていただけるでしょう。ぜひ一度お試しください。

■手順その1:投稿フォームに直打ちしない
特に、企業サイトのブログやお知らせの投稿を任されている担当者さんに言いたい…

投稿用フォームに文字をダイレクト入力しながら文章書いちゃ、ダメですよ!
いえ、禁じ手というわけではありませんが、直打ちはオススメしません。なぜってそれは…投稿ボタンをすぐに押して仕事を終わらせたくなってしまうから。

見直しのチャンスを自分のタスクにする!
最近は、誰でも直感で操作できそうなほど、投稿フォームが簡素化してきています。また、投稿を後で修正するのもカンタンです。
とはいえ、修正有無を確認する手間は必要ですし、特に公開した後となると「もう終わった仕事やし、そんな時間があったら別の仕事して早く帰りたいわ!」と思いませんか。

しかし、会社の看板(Webサイト)に自分の書いた文が載るわけですから。万が一、誤字や脱字が公開後に見つかって、運悪くそれを見つけたのが他社の人だった…となるとバツが悪いですよね。
投稿フォームに直入力はせずに、あらかじめ自分で校正をすること。やっつけ仕事にしてしまわないという意識が大事です。

校正ツールを使いながら下書きを楽にする
誤字脱字はもちろんのこと、文章の句読点や接続詞、文の長さや言い回し…これらを下書きでキチンと確認しておけば、公開後のやり直し発生リスクを大幅に軽減できます。
といっても、わざわざ紙とペンで手書きして、それを入力し直す…というムダな作業を指しているわけではありません。
WordやGoogleドキュメントなどの文書作成ソフトを使って文章を下書きし、完成したらコピペで投稿フォームに貼り付けましょう。
文書作成ソフトには、文法や誤字を校正アシスタントしてくれる機能がついています。便利で使えそうなものは、どんどん使って下書きを楽に進めましょう!

■手順その2:文章全体を声に出して読む
ブログ用の文章をwordで作成した。校正ツールも使った。いい感じだ…さてコピペで投稿!
と、流れ作業でやってしまいたいところですが、ここで惜しまずひと手間を加えて置きましょう。そのひと手間とは、「声に出して文章を読む!です。

読み上げ=自分の文章スキルを疑うこと
なぜ、敢えて声に出して読む必要があるのか…と疑問に思う方もいるでしょうね。
これは「自分の文章力を疑っているからこそやる行為」なのです。
文法的に誤りなく、誰もがスルリと読めそうなわかりやすい文章を、一発で書き上げる自信がある方は、この工程を省いてもいいでしょう。
ただ、10年以上にわたって何かしらの文章を書いている私としては、この「読み上げ」こそが仕上げ作業に欠かせません!

読み上げで得られる効果とは?
何度も声に出して読みながら、読点の位置、主語と係りの言葉、言い回しの前後を入れ替えて微調整していきます。そうすることで、ユーザーが読みやすい文章を考え、読みやすい文章に変えていくことができるのです。
巷には“読み上げソフト”なるものも存在するのですが、正直に申し上げて、電子音独特の抑揚が気になってしまい、校正を考えるどころじゃありません。
今後、もっとキレイに発音してくれるツールが増えることに期待しましょう…。

■手順その3:一晩寝かせましょう!
書き上げた挙句に、「投稿を一日待て」とは…何たる非効率!とお叱りを受けそうですね。ですが私の経験上、書いたものを即納品して、何度もやり直しをもらったことから派生し、考え抜いて行きついたルーティンなのです。

書いた時の状態が文章にも現れる!?
人間だれしも、常にフラットな状態を保っていられれば御の字。ですが、そうはいきませんよね。
落ちこんだ気持ちでは、会社のいいことを書く気にすらなりませんし、文がそもそも浮かばない。誤字脱字も増えます。
嬉しいことがあれば、あれもこれもと筆が進み、書く必要がないことも書きたくなってくる。文に余計な要素が増えて、逆に読みづらくなる。
このように、書き手の精神状態(テンション)は、如実に文章へ現れます

違うテンションで文をフラットに見る
いくら冷静に文章を書こうとしても、その時の感情に引きずられてしまうのは仕方がないこと。ならば、割り切って寝る(一晩寝かせる)のが一番です。翌日に、冷静に書いたはずの文章をもう一度自分で確認します。
すると……何ということでしょう。私の実体験ですが「あのまま投稿しなくてよかった」と救われた回数は数えきれません。
特に、仕事に追われた後に書いた“深夜の文章”は、異常なほどに冷静さを欠いているはずですので、注意しましょうね。
翌日に見直してみると、書いているときに気づかなかった異口同音漢字や、つながりの悪さ、ムダな接続詞などがぽろぽろと目に付くものなんですよ。

自分が書いた文章から少し離れる
この時間を持つことで、文章がグッと読みやすく、わかりやすく変わっていきます。

【今回の脳内開放の法則】
投稿文章は、下書きして、寝かせて、貼り付ける!

今回は私の経験を元にして、「結果時短になる」ルーティンの一部をご紹介しました。

さてさて次回は?
第7回 Webライティングの基本4 『読み手の流れ』をコントロール!  文章設計123』です。
乞うご期待。

profile

竹林みか
たけばやし・みか:大分県宇佐市生まれ。
ネコがいて甘いものがあれば、ある程度の苦境を乗り越えられる“主に主婦。ライターとして仕事を請けつつ、家の中では家事最優先。スキマ時間でデスクに向かい、モニターを睨みながら鬼の形相でキーボードを叩く。原稿の構成に多くの時間を費やし、納期ギリギリまで文章をこねくり回して自分を追い詰めるタイプ。
常に最高と最低の状態を想像して、メンタルの疲弊をブロックする習性がある。想像力&妄想癖強め。女性起業家プロジェクトIGCメンバーに加入し、ライター業ほかさまざまな活動を通じて事業経営のカタチを日々勉強中。
関東圏Web制作会社の依頼で執筆を重ね、現在は県内お取引が中心。「人の縁・かかわり」を育みながら、出前講座やフリーランスの働き方を語る講話の依頼をこなす。
平成29年よりスタートした「大分県在宅ワーカー(現:テレワーカー)養成講座」内ライティングコース講師を5期に渡り担当している。
■ブログ
https://tiku-kaku.amebaownd.com

■女性起業家プロジェクト「iGC」プロフィール
https://suits.media/igc44/profile/539

■Facebook
https://www.facebook.com/mika.takebayashi.79