写真 : 「回遊劇場」のインスタレーション「本日の浮遊」で浮遊写真を撮るためトキハ前でジャンプ、ガレリア竹町で巨大な空気男と一緒に寝そべる、まちかどでジャズや地酒を愉しむ。

秋の大分では、まちなかで様々なイベントが目白押しです。普段から美術館やギャラリー、大小の音楽・イベントホールが徒歩圏内に集まっているため、様々な催しが日常的に行われています。
特にこの秋は、街頭や広場といった、普段通っているまちのなかでアートイベント、音楽のストリートライブ、フードイベントなどが集中して開催され、大いに楽しみました。

一つひとつのイベントは、数名から数十名の少人数で行われるものが多かったのですが、その作品や話、演奏のどれもが非常に熱のこもったものでした。少人数だからこそ、深く鑑賞できたと感じています。
しかも、そのほとんどが無料で楽しむことができたのです。

■アートで賑わう大分のまちなか
大分のまちなかの賑わいをアートで創り出すことを目的としたパブリックアートの展示会「回遊劇場W@nder」では、荷揚町の「アートプラザ」をメイン会場としつつ、まちなか各所にアート作品や、空間を活かした様々なインスタレーション作品が無料で展示されました。

今回は、大分駅コンコース正面の巨大なオブジェクトや、ガレリア竹町のドーム広場全体に広がる巨大な空気のオブジェと「一緒に寝転がる」体験、トキハ本店前での「浮遊写真」の撮影など、鑑賞するだけでなく参加できる作品もあって、とても楽しめました。

■音楽、食の祭典も
また、まちなかのストリートがステージとなる「府内まちなかジャズ」では、延べ数百名の演奏者によるストリート演奏が繰り広げられ、まち全体がジャズの音色で満たされました。
さらに2日間にわたる「おおいた夢色音楽祭」でも14箇所ものステージがまちなかに設置され、会場のそこかしこから歌声が聞こえる2日間となりました。

これらに加え、大分県内の蔵元が一堂に会し、広場で地酒を味わえるイベント「豊の国地酒昼会」も開催されていました。地元の美味しい食べ物と一緒に、気軽に飲み比べができたのも嬉しい体験でした。

■イベント情報の発信と楽しみ方
上記以外にも美術館やホールなどで様々な企画が実施されていましたが、私はなるべく街頭で無料で行われるオープンなイベントを優先的に観に行くように心がけています。こうしたイベントが、町に活気をもたらしてくれるからです。
こうした小さなイベントのお知らせについては、SNSが大いに活躍しています。イベントの主催者やアーティスト、演奏者自身が、アート作品の見どころやステージの場所、時間などを細かく案内してくれるため、見逃さずに楽しむことができます。
また、その場で楽しんでいる人たちが写真や動画をアップロードしてシェアしてくれることで、イベントの臨場感がさらに増します。

こうしたSNSを活用したカルチャー体験や「ナラティブ」の共有も、新しい楽しみ方の一つです。私自身も、こうした様々な体験を今後も積極的に発信していきたいと思いました。

SNSがナラティブに示してくれる町の物語の数々に触れる秋、いや、大分の秋はニューヨークよりも面白いです!

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藤野 幸嗣
ふじの・ゆきつぐ:1953年生まれ、大分のまちなかに在住。散歩、自転車のポタリング、そしてネットの逍遙が好きです。
好奇心を旺盛に、スマホやネットを使いこなして楽しく暮らす、「大分はニューヨークよりも面白い」が信条。