第4回は引き続き、建造物モチーフのキャラクターをピックアップしていきたいと思います。
建造物モチーフには、先月紹介したようなタワーの他に、神社仏閣で見かける鳥居や石塔、石仏なども含まれます。大分県で言えば、国宝・臼杵石仏がモチーフの臼杵市観光キャラクター「ほっとさん」が有名ですよね。
そんな建造物モチーフのなかで、個性的なキャラクターと出会ったので紹介させてください。
山口県長門市にある人気観光スポット、元乃隅(もとのすみ)神社。
日本海に突出する向津具(むかつく)半島にあり、青い海に向かって赤い鳥居が並ぶ絶景神社として知られます。その圧巻の景色は、アメリカCNNで「日本の最も美しい場所31選」にも選ばれたほど!
2月の元乃隅神社。連なる鳥居の中も映えスポットです
そんな絶景を目当てに今年2月訪れたのですが、トイレに貼られた1枚のポスターの前で足が止まってしまいました。
そこには、赤い鳥居の形をした、なんとも“むかつく”表情をした真っ赤なキャラクターが載っていたのです。それが「むかつく半島 トリィネコ」です。
鳥居をモチーフにしたキャラクターは他にも存在しますが、トリィネコは一味違います。123基もの鳥居が並ぶ景色を再現するために、連なっているのです!
私は迷わず開運ぬいぐるみMサイズを購入し、連れて帰りました。
「その昔、むかつく半島の龍神が鳥居に住む猫と恋に落ち、そして生まれたのがトリィネコ」という設定。「むかつく顔をしているけれど、なぜか願いを叶えてくれる」そうなので、以来、少し大袈裟にいえば弊社の棚に祀っています。
“複数”で言えば、宮崎県高鍋町の観光マスコット「たか鍋大使くん」も同系統です。
高鍋町の丘陵地の一角。日向灘を望むこれまた絶景スポットに今から約90年前、町内在住の岩岡保吉という人物が私財を注ぎ込んで700体以上を自ら彫像した、「高鍋大師」と呼ばれる石像群があります。
「探偵!ナイトスクープ」で言うところの“パラダイス”のようなワクワク感で、今や町の一大観光スポットにもなっています。
その中の一つ、「高鍋大師の十一面くわんのん」をモチーフにして作られたのが、「たか鍋大使くん」です。
フォルムはもちろん、複数ある手や頭上の仏の頭まで再現されていて、着ぐるみではもっと四角いフォルムが強調されています。
9年前撮影の「高鍋大師の十一面くわんのん」。空に発射しそう
歴博のごりんくん。ケベス面を付けたぬりえをいただきました
ごりんくんは、5つの石のパーツからなる供養塔・五輪塔がモチーフ。
熊野磨崖仏のプロジェクションマッピングをはじめ、館内にある展示物のナビゲーターとして登場します。
完成度も高く、キャラとして確立していますが、残念ながら着ぐるみ化はされていません。それどころか、グッズ化もされていないようです。
歴博に関しては、私は勝手に商品化案をいくつか考えているので、いつか担当者さんとお会いして、お話ししてみたいものです。
例えば、宇佐市は酒蔵が多い町なので、ごりんくんフォルムの瓶でお酒を販売し、お土産物やふるさと納税の返礼品なんていかがでしょう?
あ、ごりんくんは未成年かな?