「おいしい別府。見る聞く食べる。2022」Special Report #1より続き

「おいしい別府。見る聞く食べる。2022」Special Report
第2回プログラム「薪焼 阿蘇のあか牛より」より #2

■地元・熊本で美味しいあか牛を
宮本シェフは、10年以上前に信頼できる生産者から牛を自ら1頭、購入しました。あか牛の多くが東京に出荷されてしまうので、なんとか地元の料理店でも良いあか牛を使いたいと考えたからです。
購入したあか牛は6〜7件のレストランと協力し、カジュアルイタリアンの店は煮込み用のモモやバラ、和食店は肩ロース、そして宮本シェフの店はロースやヒレといった具合に引き取る部位を分けました。料理のジャンルが違えば、使いたい部位も変わってくるため、このような取り組みができたというわけです。

■「薪火」スタイルはどうやって生まれたのか
2016年の熊本地震で大きな打撃を受けた熊本県。宮本シェフの店も壊滅的な状態になり、ガスや電気が使えなくなり、お肉が焼けなくなってしまいました。
ところが冷蔵庫に残っていた食材を、炭で沸かしたお湯で調理してみると、思わぬ美味しく調理できることに気がついたのです。以降、炭や薪を使って調理をするようになり、今では揚げ物やデザート以外は、ほぼ薪を使っており、お店の人気を高めることにつながりました。
いわば「災い転じて福となす」を実践したともいえます。

■薪火で焼きあがったお肉を食べ比べ
宮本シェフのお話を聞き終わった後は、いよいよ実食です。屋外に出た参加者一同は、クヌギの薪で焼きあがった4種類の肉を食べ比べました。「熊本産あか牛/北海道熟成」「宝牧舎(別府)経産牛」「宝牧舎(別府)ジャージー子牛」「おおいた和牛 A4サーロイン」と、選りすぐりの肉が勢揃い。
参加者の声をいくつか拾ってみると、「あか牛はチーズのようなインパクトがある香り。肉の味と薪の風味が混ざって、今まで食べたことのない衝撃」「同じ条件で焼いても、肉によって味わいがまったく違う」「薪で焼くからか、脂分が多い肉は外はカリっと、中はジューシー。あまりギトギトせず、かぼすやレモンなど柑橘系と相性がいい」等が聞かれました。

■地元の食材を地元の料理人の腕で美味しく
実食後、地元料理人や生産者からの質疑応答や意見交換が行われました、宮本シェフは過去の経験や自身の考え方を交えながら、ひとつひとつに丁寧なアドバイス。プログラム終了後には、このようなコメントをされました。

「皆さん熱心で、やりがいがありました。生産者と料理人がつながることは、立場が違うので最初は大変なことが多いと思います。でも腹を割って話をすれば、思わぬアイデアが生まれます。今回視察に伺った宝牧舎さん(別府市東山)は、牛舎を使わず草と野草だけで牛を肥育する自然放牧に取り組んでおり、きっと面白い展開につながっていくと思います」

地元料理人の腕の見せどころが期待されます。

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「おいしい別府。見る聞く食べる。2022」
別府の料理業界全体のブラッシュアップや飲食店従事者同士の横のつながり、そして生産者との交流を目的に、2022年9月から5つのテーマに沿った特別講師の料理人を招き、実施されてきた別府商工会議所の主催事業。