研究熱心な職人魂が生み出した天然酵母の美味しさ

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「パンが焼ける匂いを嗅ぐと、人は皆、誰にでもやさしい気持ちになれる」……。
数年前、フランスの南ブルターニュ大学で、このような科学的実験結果が発表されたそうです。確かに焼きたてパンの香りは、私たちを幸せな気分にさせてくれます。
2013年8月、大分市東津留にオープンした『パン ヴィルゴ (Pan VIRGO)』は、まさしく幸福感を満たしてくれるベーカリー。“VIRGO”はラテン語で「乙女座」「豊穣の女神」という意味ですが、パンを通じて幸せを伝えたいというオーナーの思いが伝わってきます。
『パン ヴィルゴ』のオーナーシェフは陣内浩さん。佐賀県出身の陣内オーナーは、電気通信大学を卒業後、東京の医療関係企業に就職。最初は趣味程度だったパン作りですが、いつしか研究熱心な性格にスイッチが入り、美味しいパンをつくることに生き甲斐を感じはじめ、33歳で心機一転、パン職人の世界へ入ったという経歴を持っています。しかし、いくらパン作りが好きだったとはいえ、専門学校等で基礎から学んだわけでもなく、まったくの素人からのスタート。東京と横浜の有名ベーカリーで10年間の修業を積み、奥様の郷里である大分県で、念願の独立開店に至ったといいます。
「ベーカリーではデパートの地下売場で働いていたので作る量が半端じゃなく、すべてを把握していなければ作業が滞ってしまいます。いまのお店はすべてを一人でやっているのですが、ムダなく効率的にできるようになったのも、この時の経験が活かされています」
オープンに先がけ、国家資格である一級パン製造技能士の資格も取得。人気店から学んだ洗練されたパンづくりの腕前を、大分で存分に発揮できているようです。店内には、持ち前の職人魂を注ぎこんだ出来立てパンが並びます。
「入手困難なものも含め、8種類もの粉を使っています。天然酵母にもこだわっており、味に奥行きを加えるルヴァン種、酒粕に水と砂糖を加えた酒粕種、ビール原料でおなじみのホップと米麹を使ったホップ種と3種類を使い分けています。修業時代に叩き込まれた経験を活かし、それぞれのパンの味と食感を活かせるよう努力しています」
予約しておかないと売り切れてしまうほど人気の食パンは、ホップ種を使用。じわじわと発酵するため、しっとり口溶けがよく、もちもち感を持続させる効果があるとのこと。大分では珍しくデニッシュ系パンも充実。さっくりした生地と季節のフルーツが、鮮やかな色合いと絶妙な味わいに仕上げています。
「いずれはカフェを併設したい」という陣内オーナー。修業時代から支えてきた奥様と共に、今日も大分のまちに“美味しい幸せ”を届けています。

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profile



パンヴィルゴ(Pan VIRGO)

オーナーシェフ

陣内 浩 氏
(津留支部会員)

■住所
大分市東津留1-3-31メゾンARC津留1F
※地図
TEL.097-552-5477
■営業時間
7:30~19:00(売り切れ次第閉店)
■休日 水曜・日曜
■URL
Facebook   https://www.facebook.com/panvirgo/
Instagram  https://www.instagram.com/pan485/