※メイン画像は、我が家のソファに鎮座する、全長約35cmのうどん脳。モチモチとしていて抱き心地も最高!

過去連載「chapt.03:タワーキャラあらかると」で、全国のご当地ゆるキャラが人気No.1の座をかけて競うことで社会現象になった「ゆるキャラグランプリ」が「ゆるバース」と名を改め、3年ぶりに開催される話を書きました。

これまでと大きく異なるのが、会場にゆるキャラたちが集まって投票が行われるリアルイベントだけでなく、インターネット上の仮想空間「メタバース」も使ったハイブリッド開催だったことです。
エントリーしたゆるキャラたちは、専用の仮想空間「ゆるバース」に3Dアバターとして配置され、そこで選挙活動や広報活動、投票までを行います。

そこから本戦(決選投票)に進んだゆるキャラたちが、10月27日〜29日の3日間、淡路島国営明石海峡公園で行われたリアルイベントに参加。投票ボックスを片手に、生身の体を張ったパフォーマンスで猛アピールしました。
会場には熊本のくまモンや今治のバリィさんなど、歴代チャンピオンたちも集結。約50体のキャラクターたちによる運動会やステージイベントなどで、リアルに盛り上がりました。

決戦投票の結果、No.1の称号を手にしたのは「chapt.05 : 四国ゆるキャラ学」で紹介した、香川の「ツルきゃら うどん脳」!
インターネット投票での暫定1位のまま逃げ切り、ゆるバースの初代王者になりました。

このように、リアルとバーチャルを組み合わせた、ゆるキャライベントはほかにも行われています。
宮崎の着ぐるみ制作会社「KIGURUMI.BIZ」が主催に名を連ねる、ハチ公の生誕100年を祝したイベント「ハチ恋Hachi-KOI」です。
ちなみに「KIGURUMI.BIZ」は「くまモン」をはじめ、大分空港のマーシャルくんや佐伯市の佐伯ごまだし大将」など、数々の人気キャラの着ぐるみを制作しています。
イベント「ハチ恋Hachi-KOI」も会場は2種類で、リアル会場では渋谷駅周辺にバースデーケーキに乗った「くまモン」や彦根市の「ひこにゃん」などのオブジェが登場。メタバース会場のみ登場するキャラクターもいて、メタバース会場を含むARスタンプラリーも開催していました。

ゆるキャラブームの火付け役「ひこにゃん」(左)。隣は、かつていろいろあった「ひこねのよいにゃんこ」。横浜港開港150周年の開国博Y150の「たねまる」とのコラボバージョン
「ゆるキャラ」の名付け親であるみうらじゅん氏は、ゆるキャラの3ヶ条を、

・郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。
・立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること。
・愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。

と掲げ、さらに追記して

原則として「着ぐるみ化」されていること。

と挙げています。
キャラクターたちを着ぐるみ化することで、そこに動き(たまに言葉)が加わり、キャラクターに設定以上のパーソナリティが生まれます。実際に会って触れた時の質感や、不安定からくる面白い立ち振る舞いなどにも親近感も湧き、さらに愛される身近な存在へと昇華します。
立体化することで具体的になる“サイズ感”も、特に“中の人”によって脛の長さが変わるあたりがゆるくて、個人的には大好きです。

バーチャルを組み合わせたゆるキャライベントは、今後ますます増加すると思われます。
わざわざ着ぐるみ化したものを、再度3Dアバターとしてデジタル空間に登場させるのは、なんだか遠回りな気もしますが、これは着ぐるみとして”実在する“からこそ成立するのではないでしょうか。

着ぐるみ推奨派としては、イラストからいきなりアバターだと、薄っぺらく感じちゃいます。

profile

相原 利衣子
あいはら・りえこ:宮崎県都城市出身。大分市在住。株式会社Oulu(オウル)編集者、プロデューサー。大分の出版社で22年雑誌制作に携わり、2021年に編集プロダクション「Oulu」を設立。webメディアや新聞、パンフレットなどの紙媒体から、パッケージやグッズなどのプロダクトデザイン、ラジオ構成作家まで、「丸投げ、よろんで」の精神で活動中。趣味は飲酒、飲食全般で、初対面の人とも陽気に酒を酌み交わせるのが特技です。